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UPBEAT Elementary School(小学部)の運動会を振り返って
6月1日に行われたUPBEAT Elementary School(小学部)の運動会を振り返って、教務主任のSierraさんと日本語教師のSayaさんにインタビューしました。
■一般的な日本の小学校の運動会と、UPBEAT Sports Dayの違いはどんなところでしょう?
Sierraは日本の小学校経験がないので、私(日本語教師Saya)から日本の公立小学校や、自分が勤務した小学校との違いを踏まえてお答えします。
日本の小学校の運動会ではよく「入るときは行進しましょう」「皆で足並みを揃えて 右足から出しましょう」といったように、きちんと決められた行動をします。
これに対し、UPBEATでは行進などはなく、「よーいドン!でここに並びますよ」「よーいドン!でわーっと走っていきますよ」というようにコンセプトだけを伝えてあとは自由。決められた型には嵌めないスタイルで行うところが一番大きな違いかなと思います。
■小学部のSports DayとプリスクールSports Dayの違いを教えてください。
プリスクールの運動会が教師主導であるのに対し、小学部の運動会は生徒主導の行事であることが一番大きな違いです。
プリスクールの子ども達はまだ幼くてたくさんのヘルプやガイドが必要なためSports Day行事も先生主導で行われますが、小学部のSports Dayは全てにおいて生徒主導で行います。
たとえば「赤チームの応援旗はあなた達が作ってね」「白チームの応援歌はあなた達が全部作ってね」 というようにほぼ全て生徒に任せます。
その他、小学部の生徒には個々の“感情”を重要視させ、より丁寧に指導していくのもプリスクールとの違いです。
小学部生徒は年齢的に成長している分、勝ち負けに強く拘ったり、ルールを厳しく捉えたりする傾向があります。たとえば、ずるいと感じることがあると「わーっずるい!」と騒いでしまう、そんな部分です。
UPBEATのSports Day行事は、IB(国際バカロレア)の教義の1つ「Who We Are?」というテーマに沿って行われていますが、自分達が勝負の状況下で全体を建設的に捉えるため 「その感情は必要なのか?」「どうすれば皆が気持ちよく楽しいSports Dayにできるのか?」 と考えさせながら、感情のコントロールをする練習をします。
■プリスクールのSports Dayの目的や目標を教えてください。
大きな目標は2つあります。
1つは、やはりSports Dayなので 今まで培ってきた運動のフィジカルスキルを活かすことです。
プリスクールの子ども達と比べると、小学生は成長した分 より複雑な競技に取り組むことができますし、1年生と6年生でもレベルが違いますから、それぞれのレベルでしっかりと力を出すことが1つ目の目標です。
もう1つは、 私たちのスローガンである「Teamwork makes DreamWork(理想的なチームワーク)」に則って、チームワークの在り方を学ぶことです。
準備から本番まで全期間を通じて人との関わり方を学んだり自分の感情をコントロールしたり、 大勢のチームメイトや先生方々と一緒に、皆でこのイベントを作り上げる方法を学びます。様々な競技練習や応援旗作製、応援歌作りといった各プロセスの中で、様々に関わり合いスローガンを達成することが大きな目標になっています。
■応援合戦や応援旗(チームフラッグ)について教えてください。
「応援旗」は 4年生から6年生が中心となってリーダー選びからスタート。子ども達が議論の末決定したデザインを1~3年生に教え導く形で作られました。
「応援歌」は白チーム赤チームに分かれ、各コンセプトを4年生主導で決定。教師へプレゼンを行い改善の末素晴らしい応援歌を作りました。完成後は自分達のチームに持ち帰り、自ら全学年全員に伝え一緒に練習しました。4年生にとっては、上級生にレクチャーするというハードルも経験しました。
プログラム最後を飾る応援ダンスの選曲を担当したのは、下級生の1年生と2年生。それを受けて振り付けを創作したのは3年生。それぞれ分担して創り上げました。
4年生同様、自ら考え作った振付を上級生のみならず、全校生徒と先生、スタッフ全員に3年生から教える貴重な経験を積みました。
このように、Sports Dayの応援は、学校全体が1つになるコラボレーションであり、学校全体のチームワークで出来上がったものです。
■1番盛り上がった競技は何でしたか?
1番盛り上がったのは、綱引きでした。
1年生と2年生の合同綱引きでは、2年生が初めて公式に年下をリードする場となり下級生をしっかりリードできていました。
3年生から6年生の合同綱引きは、生徒達が勝負にかける情熱を感じました。
これで勝負が決まる……!というより、もうほぼ決まっているけれど「勝負を何点差に抑えられるか?」という視点の熱い闘いでした。
その時点で負けていたチームが「こうした方が強くなるかな?」と真剣に作戦を考え最後の勝負に臨んだため、大変盛り上がりました。
■印象的だったエピソードがあればお願いします。
1つは応援合戦です。合図とともに皆がワーッと走ってきて太鼓と共に力強く応援歌を歌う様子がとても印象的でした。
2つ目は前述の「1番盛り上がった競技」であり最後を飾った「綱引き」です。
その時点で負けていた白チームが「負けは決まっているけれど、最後の綱引きだけは勝とう!」という気持ちで臨んで、 実際に勝利し大喜びしました。
「最終的には赤チームが勝った」けれど、「ラストの綱引きは私たちが勝ったよね!」という喜びの中で赤チームも白チームも競技を終えられたことが、とても感動的でした。